言葉よりも表情で受け取る

「いつでも言ってね その顔で言えていますか?」という文字と、パソコンの前で片手を上げて話しかける男性のイラスト

木曜日あたりから、週末のお酒が楽しみでソワソワしはじめるちゃんさとです。
♯平日は必死で飲まない派
♯週末飲酒生活

さて。

本日は「言葉よりも表情で受け取る」ってテーマです。

木曜日なので、ボク自身の話をする回です。

最近のボクのテーマは「言動一致」なんですよ。

ボク、子どもにも利用者さんにも同僚にも、よくこう言うんです。

「何かあったら、いつでも言ってくださいね」って。

これ、本心です。本当にいつでも言ってほしいと思っている。

でも…その言葉を言っているときのボク、どんな顔をしていたっけ。

ここが、今日のテーマです。

目次

いつでもと言いながら今は無理の顔

スマートフォンを見ながら頬杖をつく父親に、子どもが不思議そうに話しかけているイラスト

思い出してみたんです。

仕事から帰ってきて、頭の中はまだ明日の段取りでいっぱい。

そこに子どもが話しかけてくる。

ボクは「うんうん」と言いながら、スマホを見ていたり、考えごとをしていたり。

事務所でもそうです。

パソコンに向かったまま「大丈夫ですよ、いつでも声かけてください」と言っている。

その顔が、全然「いつでも」と言っていないんですよね。
♯ブーメラン案件

口では「いつでも」。

でも顔は「今はちょっと…」。

いつでもと言いながら、いつでも言っちゃダメなオーラを出している問題です。

人は言葉より態度を信じる

父親が両手を広げて表情豊かに話し、子どもが興味深そうに見つめているイラスト

「メラビアンの法則」を聞いたことがある方も多いと思います。

人が相手の気持ちや態度を受け取るとき、言葉が7%、声の調子が38%、表情や仕草が55%。

よく「見た目が9割」の話として使われますが、もともとはもう少し限られた実験なんです。

言葉と態度がチグハグなとき、人はどっちを信じるのか。

答えは…。
そう。態度のほう。

まさに「いつでも言ってね」問題なんですよね。

言葉をどんなに着飾っても、相手が受け取るのは顔のほう。

特に子どもは、言葉じゃないメッセージを読み取るプロです。ボクは「見透かすプロ」と呼んでいます。

「お父さん、怒ってる?」

「いや、怒ってないよ」

このやりとり、何回もあるんですよ。

ボクとしては本当に怒っていない。考えごとをしているか、疲れているだけ。

でも意識していなければ、難しい顔や怒った顔に見えてしまう。

子どもには、そっちが届いているんです。

一番やっかいなのは気づいていないこと

ここからが、今日いちばん言いたいところです。

言葉と顔がずれているメッセージのやっかいなところは、自分が気づいていないことなんです。

わざとなら、心当たりがあるなら、まだ直せる。

でも本人は「ちゃんと言った」と思っている。

「いつでも言ってねって言ったよね?」と、逆にこっちがキレそうになったことすらある気がします。

気づかないまま、信頼関係は確実に削られていく。

支援の現場でもありますよね。

面談で「ゆっくりで大丈夫ですよ」と言いながら、時間が怪しくなってきて、チラッと時計を見る。携帯を机に出してしまう。

これ、ボクやっているなって、話しながら気づきました。

利用者さんは、たぶんその一瞬を見ているんです。

「あ、この人忙しいんだな」

本当に言いたかったことを飲み込んで、そのまま帰ってしまう。こちらは面談の時間もとったし、「何かあれば」とも言った。

だから記録には「大きな変化なし」と書く。

でも本当は、そこに言えなかった一言があったのかもしれない。

そう思うと、ゾッとするんですよ。

優しい上司の眉間のシワ

大量の書類に囲まれて仕事をする女性と、書類を抱えて声をかけるのをためらっているような男性のイラスト

逆の立場になると、よく分かるんです。

ボクの初めての職場の上司は、女性で、めちゃくちゃ優しい方でした。

余裕があるときは、すごく気遣ってくれる素敵な人。

でも本当に忙しくて、いつもピリピリしていた。表情も険しい。

ボクはいつも「話しかけて大丈夫かな」と様子をうかがっていました。

今思えば、あの忙しさなら眉間にシワも寄ります。ボクでも絶対にそうなる。

でも当時のボクが受け取っていたのは、優しい彼女よりも先に、その眉間のシワのほうだったんです。

そして気づいたら、今のボクがその眉間のシワの側に立っている。

完全にブーメランです。

 ここぞのときだけでは間に合わない

もうひとつ、自分の癖に気づきました。

ボクは、ここぞというときだけ何とかしようとするんです。

大事な面談の前だけ気合を入れる。子どもが落ち込んでいそうなときだけ、ちゃんと向き合おうとする。

でも、日常でできていないことが、ここぞで発揮できるわけないんですよね。

相手が「この人に話してみよう」と思えるのは、それまでの何でもない毎日で決まっている。

スマホを置いて顔を上げていたか。

手を止めて、こっちを向いてくれていたか。

その積み重ねを見て、相手は「本当かどうか」を判断している。

ボクの「いつでも言ってくださいね」は、言葉じゃなくて、日常の所作で毎日テストされているんだと思います。

 最後に

テーブルを挟んで父親が子どもに笑顔を向け、子どもも楽しそうに話しているイラスト

じゃあどうするか。答えはまだ出ていません。

ただ、ひとつ思っているのは、自分がよく使う言葉を定期的に振り返ること。

「いつでも言ってね」「無理しないでね」「ゆっくりでいいよ」

その言葉を言っているときの表情や仕草まで、合っているかどうか。

ギターのチューニングみたいに、ときどき合わせ直す機会が必要なんだと思います。

今日、もし誰かに話しかけられたら、一度手を止めて、体ごとそっちを向いて聞いてみる。

それだけで大丈夫です。

ボクも今日はスマホを置いて、子どもの話を聞こうと思います。

みなさんは最近、「いつでも言ってね」と言ったとき、どんな顔をしていましたでしょうか。

ではまた。

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参考文献・出典

  • Albert Mehrabian『Silent Messages』(1971年)。
    言葉・声の調子・表情が食い違うときに、相手の気持ちをどれから受け取るかを調べた実験(言葉7%・声の調子38%・表情55%)。
    もともとは「言葉と態度が矛盾しているとき」に限った話で、「見た目が9割」という意味ではない。

naKaraからの補足|naKaraが大切にする、安心して話せる相談支援

相談したいことがあっても、相手の表情や忙しそうな様子を見て、話しかけるのをためらってしまうことがあります。

特に、自分の気持ちや困りごとを言葉にするのが難しいときには、相談する相手の表情や態度が、話しやすさにつながることもあります。

相談支援では、相談者の言葉だけでなく、その背景にある気持ちや思いにも目を向けることが大切です。

一人ひとりのペースを尊重し、安心して自分の気持ちを話せる関係を築いていくこと。それが、よりよい相談支援につながるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

ちゃんさと@精神保健福祉士/相談支援専門員

誰かの「どうしたい?」を聞いて15年。
自分の「どうしたい?」は、誰にも聞かれない。
対人援助職のための部屋を開いています(初月無料)。
障害年金・障害福祉はYouTubeで(3.7万人)。
すり減らない働き方の話→ https://chansato.substack.com

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