バナナが好きだと言っていたらお礼にバナナがもらえるようになりました。ちゃんさとです。
♯最近はそこまで好きじゃない
相談支援でグループホームの入居調整をしていると、必ずぶつかるのがこの制度。
「居住地特例」です。
新人さんが一度はつまずくポイントなので、今日はここを一気に整理します。
居住地特例って何??
原則、障害福祉サービスの費用は「いま住んでいる市町村」が負担します。
でも、施設やグループホーム等に入る場合は例外。
住民票を移しても支給決定と費用負担は入所・入居する前に住んでいた市町村のままなんです。
だから申請窓口も、入る前の市町村のまま変わりません。
♯担当もそのまま
これが「居住地特例」。
そしてここ、意外と誤解が多いんですが──
障害福祉では、グループホーム(共同生活援助)も宿泊型自立訓練も、この特例の対象です。
「GHは住まいだから対象外でしょ?」と思っていた方。
それ、介護保険の知識と混ざっています(詳しくは後述します)。
ちなみにひとつ、豆知識。
介護保険の正式名称は「住所地特例」(介護保険法第13条)ですが、障害福祉の正式名称は「居住地特例」(障害者総合支援法第19条)です。
書類や通知では「居住地特例」と出てくるので覚えておくと混乱しません。
なぜこんな制度があるのか
理由はシンプルで、施設やグループホームは特定の市町村に集中しやすいからです。
もしも「施設のある市が全額負担」というルールにしたら?
施設やGHを受け入れた市ほど財政負担が重くなって「施設を作ると損をする」ことになってしまいます。
だから「その人を送り出した市町村が負担し続ける」ことで、負担を公平にしている。
制度の理屈がわかると「なんで窓口が変わらないの?」という利用者さん・ご家族への説明もしやすくなりますよね。
対象になるもの・ならないもの
対象になるもの
・障害者支援施設(施設入所支援)
・のぞみの園
・児童福祉施設(障害児入所施設など)
・療養介護を行う病院
・救護施設など(生活保護法の施設)
・グループホーム(共同生活援助)
・宿泊型自立訓練
・介護保険施設(特養・老健・介護医療院)、有料老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホーム ← 令和5年4月から追加
対象にならないもの(例)
・精神科病院への入院(医療保護入院・任意入院など)
・一般のアパート等への引っ越し(これは原則どおり、引っ越し先が新しい窓口)
介護保険のGHと障害のGHは扱いが逆問題
さっきの誤解の正体、ここにあります。
介護保険の認知症グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、地域密着型サービスなので住所地特例の対象外。
GHのある市町村が保険者になります。
一方、障害福祉のグループホーム(共同生活援助)は居住地特例の対象。
入居前の市町村が支給決定を続けます。
つまり──
・介護のGH → 特例が効かない
・障害のGH → 特例が効く
真逆なんです(笑)。
ケアマネさんと相談支援専門員が話をすると、ここでよくすれ違います。
障害のGHが対象なのは、法律上は「当分の間」の経過措置という位置づけなんですが、実務上はずっとこの扱いが続いています。
宿泊型自立訓練も、国の事務処理要領でグループホームと同じく「入居前の市町村が実施主体」とされています。
なお、自治体のHPの対象一覧には宿泊型自立訓練まで書かれていないこともあるので、個別ケースは市町村に確認を。
転所・転居を繰り返した場合は?
もうひとつ大事なルール。
対象の施設・GH等に継続して入所・入居している間は、特例がずっと続きます。
基準になるのは「最初に入所する前の居住地」。
例:A市在住 → B市の施設 → C市のグループホームへ移行
この場合も、支給決定はずっとA市のままです。
途中でアパート暮らし(一般住宅)を挟むと、そこで特例は切れて、原則どおりその市町村が新しい窓口になります。
「65歳の壁」がひとつ低くなった
そして意外と知られていない、令和5年4月の改正。
介護保険施設(特養・老健・介護医療院)や有料老人ホーム等が、障害福祉の居住地特例の対象に追加されました。
何がうれしいのか。
障害福祉で居住地特例を使っていた方が65歳になって、介護保険施設に入所するケースってありますよね。
改正前は、ここで実施主体がズレる問題がありました。
改正後は、同じ市町村が引き続き窓口・負担市町村になるよう一本化された。
65歳前後の移行支援をする相談支援専門員・ケアマネさんには、地味だけど大事な変更です。
つまずきやすいポイントとまとめ
・住民票を移しても窓口は変わらない(更新・変更申請は入所・入居前の市町村へ)
・障害福祉ではグループホームも宿泊型自立訓練も対象。介護保険のGH(対象外)と扱いが逆なので混同注意
・継続して入所・入居している間は「最初の入所前の居住地」が基準
・障害児の場合は、保護者(扶養義務者)の居住地が基準になることが多い
・入所前の市町村が合併した場合は、合併後の自治体が引き継ぐのが原則(こんなルールもあるんだ)
・施設・GH等に入っても、費用負担と窓口は「入る前の居住地」のまま。障害福祉の正式名称は「居住地特例」
・理由は財政の公平化。「受け入れた市だけが損をしない」ための仕組み
みなさんの担当ケースで、「窓口どこだっけ?」が曖昧なままの方いませんでしょうか?
ではまた。
naKaraからの補足|引っ越しや入居の前に確認しておきたいこと
「住民票を移したら、福祉サービスの手続きも新しい市区町村でするのかな?」
引っ越しやグループホームへの入居を考えるとき、このように迷うことがあります。
この記事で紹介されている「居住地特例」が適用される場合には、住民票を移しても、障害福祉サービスの支給決定や申請窓口が入居前の市区町村のままになることがあります。
一方で、一般のアパートへの転居など、居住地特例の対象にならないケースもあります。また、施設や住まいの種類、これまでの居住状況によって確認が必要になる場合もあります。
そのため、引っ越しや施設・グループホームへの入居を決める前に、
「今使っている福祉サービスはどうなるのか」
「これからの申請や更新は、どの自治体で行うのか」
「相談支援の担当はどうなるのか」
といった点を確認しておくと安心です。
相談支援では、住まいだけを決めるのではなく、新しい生活を始めるために必要な福祉サービスや手続き、関係機関との調整なども含めて一緒に整理していくことができます。
「どこに相談すればいいか分からない」という段階でも大丈夫です
制度の名前や、自分が居住地特例の対象になるのかを、ご本人やご家族だけで判断する必要はありません。
特に、グループホームから別の住まいへ移る場合や、複数の自治体が関係する場合などは、個別に確認した方がよいケースがあります。
「引っ越したいけれど、何から手続きを始めればいいのか分からない」
「今の福祉サービスを引き続き利用できるのか知りたい」
「どの自治体に相談すればいいのか分からない」
といったところからでも、一緒に整理していくことができます。
相談支援について気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。





