20年前の言葉が今も支えてくれている

過去に戻れるボタンが描かれている画像

夏の終わりが寂しくも嬉しくもありセンチメンタルになっているのは僕だけですか??
♯暑さが和らぐは嬉しい

さて。

突然ですが…

「過去に戻れるボタンがあるとしたら押しますか?」

ただし条件がひとつ。押したら今の記憶はなくなります。

……どうでしょうか。

ボク、これを大学の授業で大真面目に議論したことがあるんですよ。
♯仏教系の大学でした

そのあとに恩師に言われたたった一言が、20年経った今もボクを支えているんです。

ここが、今日のテーマです。

目次

9対1のアウェー

ボク、仏教系の大学を出ていまして。

そこに「布教法」という授業があったんです。仏の教えをどう伝えるか、という授業。僕はこの授業が割と好きで休まず出ていたんですね。

その授業である日、ディベートがありました。

お題が冒頭のこれです。

「過去に戻れるボタンがあるとしたら押しますか。ただし今の記憶はなくなります」

あの時、選択間違えたなあとか。
あの時ちゃんと言っておけばよかったなあとか。

ボクにも山ほどあります。

でもボクは、迷いもなく「戻らない」を選んだんですよ。

で、教室を見渡したら…9対1でした。

ボクが1です。
♯みんな戻りたいのかよ

記憶がなくなるならそれはボクじゃない

完全にアウェーの中、ボクはひとりで激論を繰り広げました。

たどたどしかったと思いますけど、言いたかったのはこういうことなんです。

記憶がなくなるなら、それはもうボクじゃない。

戻った先でうまくいったとしても、その人は失敗した記憶もしんどかった記憶も持っていない。

だとしたらそれは、「うまくいった別の誰か」になってしまうんじゃないか。

20歳そこそこで、よくもまあ言っていたなと思うんですけど…今も同じことを思っています。

失敗が怖くて2番手を選び続けてきた過去も。
感情に蓋をし続けて、自分の気持ちに気づけなくなっていた過去も。

全部込みで、今のボクなんですよね。

そこだけ抜き取ることは、できない。

内容はともかくとして…

そのディベートの授業が終わったあと。

先生にこう言われたんです。

「内容はともかくとして、お前には弁論の才能がある」

……「内容はともかくってなんだよ💢」とは思いました(笑)。

でも、この一言がめちゃくちゃ残ってるんですよ。

20年経った今も先生の顔も教室の空気もはっきり覚えている。

先生はたぶんそんなに深く考えて言っていないと思うんです。

9対1でよく頑張ったなあ、くらいの。授業のあとにふと出た一言。

それが、ボクの中にずっと残っている。

今やっていることは全部これ

そして最近、気がついたんです。

ボクが今やっていることって、結局ぜんぶこれなんですよね。

Voicyで話す。
YouTubeで話す。
noteで書く。
研修で話す。
高校の出前講座で話す。

全部「伝える」じゃないですか。

19年、対人援助職の仕事をしてきて、この仕事でいちばん好きな瞬間も…結局、伝わった瞬間なんです。

制度の説明がその人にストンと落ちて「あ、そういうことか」って一歩進もうとした時。

あれが、たまらなく好きなんだなって。

あの日の一言は、ボクの中にずっとあったものに名前をつけてくれたんだと思います。

特別な言葉じゃないくて良い

ここからが、今日いちばん考えたかったところです。

ボクらは日々、利用者さんにいろんな言葉を投げかけていますよね。

その中のたった一言が、その人の中に20年残るかもしれない。

これ、怖くないですか。

だって、選べないんですよ。

「よし、この一言を残そう」と思って言った言葉は、だいたい残らない。

逆に、なんとなく言ったことが深く刺さっていたりする。

いい意味でも、悪い意味でも、です。

じゃあ、どうするか。

ボクは、特別な言葉を考えなくていいと思っているんです。

「今の説明、すごく分かりやすかったです」
「その気づき、僕にはなかったです」

こういう一言でいい。

日常の中に、その人が「できている」瞬間って、大きい小さいに関係なく必ずあるんですよね。

そこに気づいて、そのまま言葉にする。

ボクの先生がくれたのも、たぶんそういう狙っていない一言でした。

最後に

みなさんにも、誰かに言われた忘れられない一言って、ありませんでしょうか。

そして今日、みなさんが誰かにかけた何気ない一言も…その人の中で20年生きるかもしれません。

ボクも、ふと思ったことを素直に言える側でいたいなと思っています。

ではまた。

この話は、Voicyでも話しています👇

naKaraからの補足|うまく言葉にできなくても大丈夫です

相談の場では、「どうしたいですか?」「何に困っていますか?」と聞かれても、すぐには答えられないことがあります。

自分の気持ちがまだ整理できていなかったり、何から話せばいいのか分からなかったりすることもあります。

相談支援では、最初からきれいに言葉にする必要はありません。

「なんとなく不安」「今の生活を少し変えたい」「何が困っているのか自分でも分からない」といったところから、一緒に話を整理していくことも大切な支援のひとつです。

また、支援する側が答えを決めてしまうのではなく、ご本人が話したことや表情、これまでの経験などを丁寧に受け取りながら、その人自身の希望を一緒に探していくことも大切だとnaKaraでは考えています。

何気ない一言が誰かの中に長く残ることがあるからこそ、言葉を「与える」だけではなく、その人の言葉を待ち、受け取り、確かめながら関わっていきたいと思っています。

相談したいことが、まだ言葉になっていない方へ

「何を相談したらいいのか分からない」という段階でも大丈夫です。

今感じていることや、生活の中で気になっていることから一緒に整理し、必要に応じて利用できる福祉サービスや支援について考えていきます。

相談支援について気になることがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

ちゃんさと@精神保健福祉士/相談支援専門員

誰かの「どうしたい?」を聞いて15年。
自分の「どうしたい?」は、誰にも聞かれない。
対人援助職のための部屋を開いています(初月無料)。
障害年金・障害福祉はYouTubeで(3.7万人)。
すり減らない働き方の話→ https://chansato.substack.com

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