65歳になったら障害福祉サービスはどうなる??

65歳を迎えた後の障害福祉サービスについて相談する様子

こだわった結果、朝ごはんが毎日同じものになっている44歳のちゃんさとです。
♯納豆ともずくと玄米と野菜
♯あとサバ

さて。
本日は「65歳になったら障害福祉サービスはどうなるの??」ってテーマです。

僕、相談支援専門員として長く現場にいますが、ここ数年、あきらかに増えた質問があります。

「65歳になったら、ヘルパーさんってなくなっちゃうんですか」

「就労の事業所、このまま通えるんですか」

利用者さんからも、ご家族さんからも聞かれます。

とくに64歳が近づいてきた方は、切実です。

どこかで「65歳になると介護保険に変わるらしい」と聞いてきて、それでよけいに不安になる。

♯そして正直に言うと、支援者側も知ってるようで知らない

これ、現場ではけっこう有名なのに、世間ではほとんど知られていない「65歳問題」です。

しかもやっかいなことに、「大丈夫ですよ」とも「大変になりますよ」とも、一言では言えない制度なんですよね。

ここが、今日のテーマです。

目次

先に結論から

結論です:全部が変わるわけじゃない。でも、何もしないで65歳の誕生日を迎えていいわけでもない。

ここを順番にほどいていきます。

65歳を迎える前に障害福祉サービスについて相談する高齢者と家族

大元のルール「介護保険優先原則」

障害福祉サービスは、障害者総合支援法という法律の中にあります。

その中に、介護保険優先原則というルールがあります。

65歳になったとき、いま使っている障害福祉サービスと同じようなサービスが介護保険にある場合は、介護保険のほうを先に使ってください、というルールです。

たとえば、障害福祉の「居宅介護」と、介護保険の「訪問介護」。

ややこしいですよね。

どちらも、ヘルパーさんが家に来てくれるサービスです。

でも名前が違う。

こういう似た者同士があるときは、介護保険が優先になります。

なぜ問題になるのか。変わるのは「お金」と「量」

① お金

障害福祉サービスは原則1割の自己負担ですが、住民税非課税世帯や生活保護の世帯は負担がゼロです。

でも介護保険は、原則1割。

つまり、昨日まで0円だった人に、65歳の誕生日からお金がかかるようになることがあるんです。

② 量

介護保険には要支援・要介護の区分があって、区分ごとに使える限度額が決まっています。

そのため、今まで使えていた時間より枠が小さくなってしまうことがある。

これだけ聞くと、不安になりませんか。

正直、不安になる気持ちは分かります。

65歳以降の障害福祉サービスの費用負担の変化を表すイメージ

でも、「65歳で全部終わり」は誤解です

ここからが大事なところです。

まず、介護保険に似たものがないサービスは、65歳を過ぎても障害福祉サービスのまま使えます。

  • 視覚障害のある方の外出を支える「同行援護」
  • 行動に見守りが必要な方の「行動援護」
  • 就労継続支援などの就労系サービス

このあたりは介護保険にありません。

だから、そのまま使えます。

65歳で変わる障害福祉サービスと継続できるサービスを示した図

そして、介護保険の枠で足りない場合は、障害福祉サービスで上乗せできる場合があります。

たとえば、これまで月20時間ヘルパーを使っていた方。

介護保険では10時間しか出ない、となったとき、残りの10時間を障害福祉サービスで上乗せして、トータル20時間を確保できることがあります。

国も「一律に介護保険へ切り替えるのはダメですよ」「一人ひとりの状況を見て市町村が判断してください」という趣旨の通知を出しています。

実際、この一律の打ち切りをめぐっては裁判にもなっていて、いまも争われているテーマです。

知っておいてほしい仕組みが、2つあります

① 共生型サービス

2018年にできた仕組みです。

障害福祉の事業所が、介護保険の指定も一緒に取れるようになりました。

これがあると、制度の上では介護保険に変わっても、慣れた事業所の、慣れたスタッフさんのまま使い続けられます。

② 新高額障害福祉サービス等給付費

名前が長すぎて、見た瞬間に読む気が失せるやつです。

でも中身はシンプルで、一定の条件を満たす方は、介護保険で払った1割負担が後から戻ってくる制度です。

条件はざっくり言うと、65歳になる前の5年間、障害福祉サービスを使い続けてきた方で、住民税非課税など低所得の方。

ただ。

これ、申請しないと1円も戻りません。

制度はあるのに、申請の壁で届かないやつです。

65歳以降のサービス利用について支援者と相談する高齢者と家族

65歳の誕生日を、ぶっつけ本番にしない

65歳が近づくと、市町村から介護保険の申請についての案内が届きます。

だいたい誕生日の数ヶ月前です。

この手紙を、放置しないでほしいんです。

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これの65歳版だと思ってください。

そして、案内が来る前からできることがあります。

担当の相談支援専門員に「65歳になったら、どうなりますか」と聞いておくことです。

聞いておきたいのは、この3つ。

  • 使っているサービスのうち、どれが介護保険に代わって、どれが残るのか
  • 負担はいくらになりそうか。戻ってくる制度の対象になるか
  • いまの事業所が共生型をやっているか

これが事前に分かっているだけで、65歳の誕生日は「怖い日」ではなくなります。

サービスが使えなくなるかもしれないと怯える日ではなく、何かが切り替わる日になる。

支援者側も同じです。

担当の方が64歳になったら、介護保険側のケアマネジャーさんへの引き継ぎも含めて、1年かけて準備するくらいでちょうどいいのかなと思っています。

偉そうに言っていますが、これは完全に自分への戒めでもあります。

最後に、今日の一歩です

60代でサービスを使っている方が身近にいたら、一言聞いてみてください。

「65歳のこと、相談支援の人に聞いていますか?」

もし自分が担当を持っているなら、次のモニタリングで65歳の話を一度、話題に出しておく。

それだけで、1年後・2年後のバタつきが、ひとつずつ消えていきます。

みなさんの担当の中に、63歳・64歳の方はいませんか。

今日も小さな一歩で大丈夫です。ではまた。

naKaraからの補足|65歳以降のサービスについて、一緒に整理しませんか?

65歳を迎えたあとの福祉サービスについては、現在利用しているサービスや生活状況によって、確認すべきことが一人ひとり異なります。

naKaraでは、ご本人の希望や現在の生活状況を伺いながら、これから必要になる支援やサービスについて一緒に整理していきます。

「今のサービスは続けられる?」
「介護保険に変わると何が変わる?」
「どこに相談したらいいかわからない」

そんな疑問や不安がある方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

ちゃんさと@精神保健福祉士/相談支援専門員

誰かの「どうしたい?」を聞いて15年。
自分の「どうしたい?」は、誰にも聞かれない。
対人援助職のための部屋を開いています(初月無料)。
障害年金・障害福祉はYouTubeで(3.7万人)。
すり減らない働き方の話→ https://chansato.substack.com

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